限界

日本チェス協会(http://www.jca-chess.com/)を参照して、先日の佐賀でのトーナメントの事例と比較するに、少なくともDCI Reporterのペアリングルーチンはスイス式トーナメント(Swiss style tournament)の原則に準拠していないのは確実です。


推測ですが、先日のDCI Reporterのペアリングルーチンは以下の手順に従ったものと思われます。

  1. ポイントの高いプレイヤーから順に無作為に組み合わせる
  2. 同じプレイヤー同士で二度対戦しないように組み合わせる

例えば同ポイントのプレイヤーが偶数人数いた(*)としても、それらのプレイヤー間で既に対戦があった場合は、DCI Reporterのルーチンでは必ずしも同ポイントのプレイヤーとマッチメイクされるとは限らないということです。
(*)いうまでもないが、そのポイントより上のプレイヤーも偶数人数いることが前提


ただしこれは「バグ」ではなく「仕様」だと考えられます。上記ページ内にも

スイス式はいずれのシステムにしても人間のためのプログラムは完結している。しかし、コンピュータプログラム化となるとアルゴリズムの記述が難しく、単純なシステムでさえ完全なものがない。

とありまして、DCI Reporterに完璧なスイス式のペアリングを求めるのは無理(可能だとしても大変なコストがかかる)なようです。


ではどのように対処していくべきか?主催者がスイス式の原則に従ってペアリングを作り直すのもアリだと思いますが、私個人はトーナメント自体を簡易型(あるいは変則型)スイス式で運営、とした上でペアリングをDCI Reporterに一任するという立場を採りたいと思います。その最大かつ唯一の理由は「ペアリングが一個人の恣意的なものではあってはならない」に拠ります。DCI Reporterそのものは可能な限り最新のものを準備しますが、バグによって或る法則に従ってペアリングされるしても、仕方のないことだと考えています。


本来はDCI Reporterが完全なものであるのが最も理想的ではあるのですが、現実にはそうもいかないようですので、上記を今後の基本方針と致します。